行政書士 × 建設業 × AI&DX の現場から(第3回)
「人が優秀な会社ほど、ある日突然止まる理由」
皆さん、こんにちは。
株式会社飛躍のミカタの武村欽也です。
「担当が分かっていますから」
この一言で、
多くの建設業の社長は安心します。
実際、
これまで大きなトラブルは起きていない。
書類も揃っている。
指摘も受けていない。
しかし、
止まる会社は、いつも“問題が起きていない会社”です。
建設業許可は「連動して崩れる」
建設業許可に関わる要素は、
単独では存在していません。
・人が変わる
・決算内容が変わる
・組織が変わる
これらはすべて、
・許可
・更新
・経審
・元請チェック
と連動しています。
ところが多くの会社では、
それぞれを別々に管理しています。
「その人が分かっている」は、管理ではない
・事務が把握している
・行政書士が覚えている
・社長が最終的に見る
この状態は、
管理ではありません。
「誰かの頭の中にある」だけです。
そして、その誰かが、
・辞めた
・休んだ
・変わった
その瞬間、
管理はゼロになります。
止まるのは「違反」ではなく「気づけない会社」
多くの社長は、
こう考えています。
「違反さえしなければ大丈夫」
しかし本当に怖いのは、
違反に気づけない状態です。
・技術者が抜けていた
・変更届が出ていなかった
・経審に影響していた
これらは、
気づいた時点ではもう遅いことがほとんどです。
人が優秀だから、ここまで持っていただけ
エンジニアの目から見ると、
こう映ります。
「この会社は、
仕組みで守られているのではなく、
人が踏ん張っているだけ」
事務が優秀。
行政書士が丁寧。
社長が細かい。
だから事故が起きていない。
しかしそれは、
限界を先送りしているだけです。
「気をつける」では、もう防げない
ここまで来ると、
精神論は役に立ちません。
・注意する
・確認する
・忘れない
これらはすべて、
人の集中力に依存しています。
そして人の集中力は、
必ず切れます。
AI&DXは、社長の代わりに“崩れ始め”を見つける
AIやDXの役割は、
便利にすることではありません。
「崩れ始め」に気づくこと。
・人が変わった瞬間
・数字が出た瞬間
・条件がズレた瞬間
その影響を、
人より先に整理する。
これができて初めて、
建設業許可は「守れる状態」になります。
まとめ
止まる会社は、
いい加減な会社ではありません。
人に頼りすぎた会社です。
次回は、
変更届がなぜ後回しにされ、
それがどのように致命傷になるのかを、
さらに具体的に掘り下げます。

