連載:社長の「決める力」実践メソッド【第2回目】

皆さん、こんにちは。
即断即決が会社を強くします。
株式会社飛躍のミカタ パートナーの
飛躍のみかた税理士事務所
石山明弘です。
経営支援・財務支援・理念浸透支援を行う立場から、
「決められる社長」と「決められない社長」の違い、
そして“決める力”を養う具体的な実践方法の第2回目です。

【第2回】決められる社長と決められない社長の違い

——会社を伸ばす“判断軸”を持つかどうか——

会社の成長スピードは、
社長がどれだけ早く、どれだけ正確に決断できるかで決まります。

同じ地域、同じ業界、同じ規模でも、
驚くほど結果が変わります。

その差を生むのが——

「決められる社長」か「決められない社長」か。

本日は、数多くの企業支援の現場で見えてきた
両者の決定的な違いをご紹介します。

■ 1.「目的」が明確かどうか

まず最初の違いは “目的の明確さ” です。

決められる社長は、必ずこう話せます。
・何のために会社を経営しているのか
・誰を喜ばせたいのか
・どこに向かいたいのか

目的が明確だから、判断軸がブレません。
結果、迷わず決断できます。

一方、決められない社長は、
目的よりも “方法” を気にします。

「どれが正しいですか?」
「失敗したらどうしますか?」
「他社はどうしていますか?」

情報が多いほど迷い、決断が遅れます。

■ 2.責任の所在を自分に置いているか

決められる社長は、相談はするが最終判断は自分です。

「経営は私の責任だから、私が決める」


という姿勢を崩しません。

一方で決められない社長は——
・経理担当に聞きます
・税理士に相談します
・とりあえず検討します

と、判断の矢印を外側へ向けます。

もちろん相談は重要です。
しかし“最終決定を委ねる”癖がつくと、
会社はいつまでも動きません。

■ 3.完璧を求めすぎない

伸びる社長ほど、完璧主義ではありません。

小さく始め、すぐに改善する。
この姿勢が圧倒的に強いのです。

一方、決められない社長は
「もっと情報が揃ってから」
「もう少し様子を見て」
と、判断を先延ばしします。

完璧を求めるほど、
会社のスピードは止まっていきます。

■ 4.税理士に依存しない

特に財務の意思決定では、差が鮮明です。

決められる社長は、
税理士を“相談相手”として使います。
しかし、判断は自分で行います。

一方、決められない社長は、

「今の税理士に聞いてみます」

と、判断の主体を税理士に預けます。

しかしもし——
・提案がない
・変化を促してくれない
・毎年同じアドバイスしかない
という税理士であれば、
その相談は会社の進化を止めるだけです。

厳しいようですが、
経営を動かせない専門家に依存すると、会社も止まります。

■ 5.決められる社長は「動く前提」、決められない社長は「考える前提」

成功する社長ほど、
決断は“動くためのスタート”だと理解しています。
・決める
・動く
・振り返る
・改善する
この4つを高速で回しています。

一方、決められない社長は、
動き出す前に考えすぎてしまい、
結局スタートラインに立てません。

■ 結論:社長の成長は決断力の成長で決まる

会社の未来をつくるのは、
ビジネスモデルや商品力だけではありません。

「決められる社長」かどうかです。
そしてこの力は、鍛えることができます。
そのための鍵が、次回のテーマ——

▼次回:第3回 決断を支えるのが“財務の見える化”

——数字が早く見える会社は決断が速い——