行政書士 × 建設業 × AI&DX の現場から(第2回)
行政書士 × 建設業 × AI&DX の現場から(第2回)
「問題が起きていない会社ほど、実は一番危ない」
皆さん、こんにちは。
株式会社飛躍のミカタ武村欽也です。
「今のところ、特に問題は起きていません」
建設業の社長から、
この言葉を聞くことは少なくありません。
確かに、
・許可は取れている
・更新もしている
・指摘も受けていない
だから、
「大丈夫だ」と感じてしまう。
しかし、
この感覚こそが一番危険だとしたらどうでしょうか。
建設業許可のリスクは「静かに積み上がる」
建設業許可に関するトラブルは、
突然起きるものではありません。
・人が変わった
・組織が少し変わった
・数字が変わった
・業務内容が広がった
こうした変化が、
日常の中で少しずつ積み上がる。
そしてある日、
・更新
・経審
・元請チェック
という“表に出る場面”で、
一気に噴き出します。
社長が把握していない情報が、増え続けている
多くの会社で、
許可に関する情報は次のように分散しています。
・技術者の状況は現場任せ
・変更の有無は事務任せ
・許可の判断は行政書士任せ
それぞれは、
きちんと仕事をしています。
しかし問題は、
それらが「つながっていない」こと。
誰も全体像を把握していない状態で、
「問題は起きていない」と言っているだけかもしれません。
「知らなかった」では済まない場面がある
建設業の世界では、
・元請からの確認
・行政からの照会
・入札・経審
といった場面で、
即答できるかどうかが問われます。
そのとき、
・書類を探す
・担当者に確認する
・行政書士に聞く
このワンテンポが、
信用の差になります。
人が頑張っている会社ほど、限界が近い
皮肉な話ですが、
問題が起きていない会社ほど、
・事務が優秀
・社長が細かい
・行政書士が丁寧
というケースが多い。
つまり、
人が無理をして、会社を支えている。
しかし人の頑張りには、
必ず限界があります。
だから「気づける仕組み」が必要になる
ここで重要なのは、
「ミスをしない仕組み」ではありません。
**「変化に気づける仕組み」**です。
・人が変わった瞬間
・数字が出た瞬間
・組織が動いた瞬間
その影響が、
許可・経審・更新にどう関係するのかが分かる状態。
これは、
人の記憶や注意力では守れません。
AI&DXは、社長の代わりに“気づく役割”を担う
AIやDXは、
仕事を奪うものではありません。
社長が全部を見なくても済むようにするための補助輪です。
・見落としを減らす
・判断を早くする
・不安を減らす
そのための手段として、
私たちはAI&DXに取り組んでいます。
まとめ
「問題が起きていない」
それは、
安心材料ではなく、確認すべきサインかもしれません。
次回は、
なぜ変更届が後回しにされ、
それが後から一気に効いてくるのか。
現場で実際に起きている話をもとに、
もう一段深く掘り下げます。


