【連載:理念浸透と採用定着の実践メソッド】第3回目
皆さん、こんにちは。
株式会社飛躍のミカタ 武村欽也です。
理念浸透と採用定着の実践メソッド第3回目です。
■ 第3回 【社員が思う“改善してほしいこと”こそ、組織成長の突破口】
—— 小さな改善の積み重ねが、驚くほどの定着率向上を生む —
第1回では「社長自身の原点」
第2回では「長期勤続者の声の重要性」についてお伝えしました。
第3回のテーマは、
“社員が改善してほしいと思っていること”に光を当てることです。
多くの企業で職場改善が進まない理由は、
経営者と現場の“問題意識のズレ”にあります。
■ 聞かなければ永遠に分からない現場の「小さな不便」
社長は「会社全体」を見ています。
一方で、社員は「自分の働く現場」を見ています。
だからこそ、社員の声には
社長が見落としてきたリアルな課題が隠れています。
意外かもしれませんが、社員は大きなことは求めません。
多くの不満は、次のような“小さな不便”です。
・書類の保管場所が分かりづらい
・報告ルールが曖昧で、毎回確認が必要
・同じ説明を何度もしなければならない
・備品がいつも足りない
・古いシステムが使いづらい
・相談したいときに話しかけづらい雰囲気がある
これらは 放置するとストレスになり、積もると辞める理由につながる
しかし 改善はすぐできる・お金もほとんどかからない
——という特徴があります。
だからこそ、“聞くこと”が最高の改善策なのです。
■ 「改善してほしいことは?」と聞くと社員は必ず喜ぶ
ある企業で、社長が初めて社員にこう尋ねたことがあります。
「みんな、働きやすくするために改善したいことがあったら教えてほしい」
すると、多くの社員がこう言いました。
・「こんなことを聞いてもらえると思わなかった」
・「社長が変わった気がする」
・「自分たちの声を大事にしてくれて嬉しい」
実は、社員にとっての“働きがい”は
給与よりも
福利厚生よりも
最新設備よりも
**「社長に話を聞いてもらえること」**が大きいのです。
■ 小さな改善が積み上がると「職場の空気」が変わる
社員が伝えてくれた改善点を、できるところから1つずつ実行する。それだけで、
・無駄な仕事が減る
・ストレスが低減する
・コミュニケーションが良くなる
・助け合いが自然に生まれる
・離職の原因が消えていく
・新しいアイデアが出てくる
会社全体の“空気”が変わります。
職場の空気が良いと、採用は驚くほど楽になります。
なぜなら、社員が自然と会社の魅力を語るようになるからです。
■ 社長が改善スピードを上げると、社員の信頼は一気に高まる
改善の質よりも大切なのは “スピード” です。
社員が
「言ってもどうせ変わらない」
と思っている会社は変わりません。
逆に、社長が迅速に動く会社は
社員が「この会社は応えてくれる」と感じ、
エンゲージメント(会社への参加意欲)は一気に高まります。
改善内容は小さくても構いません。
大切なのは、
“言ったことが形になる会社”であること。
これが離職率を劇的に下げる最大のポイントです。
■ 結論:社員の“改善してほしいこと”は、最強の経営資源
・コンサルに高額を払わなくても
・働き方改革の専門家を入れなくても
・規模の大きな制度改革をしなくても
社員の声を聴き、
できる範囲で改善するだけで、
会社は驚くほど良くなります。
社員の改善要求は「不満」ではなく「期待」です。
期待があるから、意見が出るのです。
第3回のテーマは、
“社員の小さな不便を改善することこそ、組織成長の突破口である”
ということ。
社長の一歩が、会社の未来を確実に変えていきます。

