【連載:理念浸透と採用定着の実践メソッド】第2回目
皆さん、こんにちは。
株式会社飛躍のミカタ 武村欽也です。
理念浸透と採用定着の実践メソッド第2回目です。
■ 第2回 【辞める社員ではなく、残ってくれている社員の声を聴く理由
—— 長期勤続者の声は、会社が見落としてきた“最大の資産”であるーー
組織づくり・採用定着・理念浸透——
これらの改善ポイントを探すために、多くの企業では「退職者の声」を重視します。
もちろん、退職の理由を把握することは悪いことではありません。
しかし実は、多くの会社が見落としている真の資産があります。
それは、
「辞めずに残り続けてくれている社員の声」
です。
■ なぜ退職者の声に偏るのか?
社長はどうしても、辞めた社員の言葉に引っ張られがちです。
「もっとこうしてほしかった」
「給料を上げてほしかった」
「人間関係が…」
退職者の声は、ネガティブになりがちで、
原因追及も複雑です。
しかも、改善しても“その社員はもう戻ってきません”。
それよりも——
会社の未来に最も影響を与えるのは
“今、残ってくれている社員たち”の言葉です。
■ 長期勤続者こそ「会社の本質を知っている」
10年、20年と勤めてくれている社員は、
社長以上に“会社の空気”を知っています。
彼らに質問すると、必ず本質的な言葉が出てきます。
・「困ったときに助けてくれる人が多い」
・「社長の考えがブレないから安心できる」
・「仲間が良い」
・「この会社は自分を見てくれる」
・「自由度がある」
これらは採用広告には書きにくいですが、
本当の会社の強みです。
そして多くの場合、社長自身はそれに気づいていません。
■ “残る理由”の中に、組織成長の核心がある
社員が辞める理由はバラバラでも、
社員が残る理由には“共通点”があります。
それは会社の価値観であり、文化であり、
長年かけて自然に育まれてきた“居心地の良さ”です。
この“残る理由”を把握するだけで、
・会社の魅力
・大切にすべき文化
・改善すべき環境要因
すべての方向性が見えてきます。
■ 社長が社員に聞くべき質問
長期勤続者へ、ぜひこの3つを聞いてみてください。
①「なぜ、この会社で働き続けているのですか?」
→ 本質的な魅力が出てくる。
②「この会社の良いところは何ですか?」
→ 社長が気づかない隠れた強みが見える。
③「もっと改善してほしいところはありますか?」
→ “小さな不便”の改善が一気に職場を変える。
驚くほどリアルで、宝物のような言葉が返ってきます。
■ 聴くことは「会社をもっと良くする」最速の方法
理念浸透も、採用定着も、エンゲージメント向上も、
理論よりもまず “現場の声” です。
社員が言った言葉に対して、
・すぐ動く
・できるところから改善する
・一言でも「ありがとう」と伝える
この積み重ねで、社員との信頼関係は強くなり、
離職率は劇的に下がります。
■ 結論:長期勤続者の声は「無料で手に入る最高の経営資源」
採用にお金をかけても、離職率が高ければ“穴の空いたバケツ”状態です。
その穴を塞ぐヒントは、
いつも、社長のすぐそばにいる社員たちが持っています。
・残る理由
・会社の魅力
・社員の願い
・職場の課題
・改善のきっかけ
すべて彼らが教えてくれます。
第2回のテーマは、
「答えは退職者ではなく“残ってくれている社員”の中にある」
ということ。
社長が耳を傾けた分だけ、会社は確実に良くなっていきます。

